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ひざに水がたまるってクセになるの?

時々患者様から伺うことがあります。
“わたし、よくひざの水を抜くんですけど、他の人が水を抜くとクセになるからやめた方がいいって言われるんです、、”

他の人って??っていう風にも思いますが、たぶん、整形外科医でも水のたまる仕組みまでは知っていても、その意味を知っている人は少ないと思うのでここで記載しておこうと思います。

キーワードは、滑膜と幹細胞の2つです。

ひざの関節を取り囲むように滑膜組織という組織が存在しています。
半月板や軟骨など、関節のダメージがあるとダメージ部分から信号が出ます。
滑膜にはその信号をキャッチするシステムが備わっていて、信号をキャッチすることで炎症をおこします。それを滑膜炎といいます。

滑膜炎をおこした滑膜は水を排出します。これがたまった状況をいわゆる“ひざに水がたまる!”といいます。

滑膜は幹細胞といういろいろなダメージ対して修復するために必要な細胞を収納しています。ひざに何もダメージのない状態ではこの幹細胞は滑膜に収納されていて関節内には存在しません。
ところが、ダメージによって滑膜炎が引き起こされると水と一緒にこの幹細胞を放出します。そしてダメージ対して幹細胞が働く、ということにつながっていきます。

つまり、水は幹細胞を放出するために出ている、と言っても過言ではないのです。

では水を抜くことがクセになるわけではなく、修復がまだ必要だよ!っていう状態であれば水を抜いてもまた滑膜から水が放出されるのでまだ溜まるという状況になります。

個人的には幹細胞が入っているこの水を抜いてしまう事は、幹細胞も抜いてしまう事になるので極力抜かない方針です。
しかしながらかなり溜まってくるとひざを曲げると張ってくるような重だるい痛みが出てしまいます。このような症状が出ている場合にのみ水を抜くようにしています。

実際の現場で患者様には“お金がたまったいいんですけどね、、”なんていいながら
“水は溜まってますね~”なんて言いながら状況を説明して抜くか抜かないかを決めています。
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