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幹細胞点滴による死亡事故について~原因について~

先だって報道されました、銀座のクリニックでおこなわれた幹細胞の点滴中に発生した事故について、まずは亡くなられた方とそのご遺族に、心よりお悔やみを申し上げます。

今回、幹細胞を点滴中に容態が急変し、搬送先の病院でお亡くなりになられた、ということが報じられております。 手術を専門としている人間としては、いろいろなリスクを伴う手術と比べて、 幹細胞治療は安全性の非常に高い治療と考えていて、それは本事故が起きた今でも 見解は変わりません。 しかしながら、幹細胞治療にも非常に少ない確率ながらリスクが存在することをしっかり認識してそれを防止する対策をしっかり立てることが重要と思います。 対策を立てるにあたって今回の事故の原因をしっかり考える必要があると思います。

今回はこの原因について個人的に意見を述べようと思います。 報道では原因はアナフィラキシーショックとの記載がありました。 アナフィラキシーショックとは強烈なアレルギー反応を指します。 この点も踏まえて以下の原因が考えられます。

① 抗生物質によるアナフィラキシー

② 凍結保存液によるアナフィラキシー

③ 細胞の塊が肺の血管に詰まる肺塞栓症

それぞれについて説明します。

① 抗生物質によるアナフィラキシー

細胞を培養する、という手順があるのですが、その際に細胞が細菌感染しないように抗生物質を使用します。その抗生物質に対してアレルギー反応を起こした可能性。

② 凍結保存液によるアナフィラキシー

細胞培養は目標の細胞の個数というものがあって、投与日に合わせてその個数になるように調整します。しかし、細胞が増えるスピードは一定とは限らないので、調整が必要となります。その際、一旦、細胞を凍結保存することがあります。その際に保存液を使用するのですが、その保存液に対してアレルギー反応を起こした可能性。

③ 細胞の塊が肺の血管に詰まる肺塞栓症

報道のようなアナフィラキシーではない可能性もあると思っています。その中でもっとも重篤な疾患として可能性があるのがこの肺塞栓症です。これは細胞を点滴で投与する場合に細胞に固まりが出来ていて肺の血管に詰まることで呼吸が出来なくなった可能性。 ただそれぞれ疑問点があります。 報道のように①、②のアナフィラキシーが原因の場合には、血圧を上げるお薬や急速に大量の輸液をおこなうなどの対処で一命をとりとめることが可能だったのではないか、という部分。③の肺塞栓症の場合、有効な対処が難しいことが多く原因としてはあり得ると思うのですが、司法解剖で特定可能と考えます。しかし、8/20に発生した事故が現在もまだ原因についての発表がないので、肺塞栓症は否定的の可能性も高い、という部分。 現時点ではまだ不明な部分も多くあくまで個人的な見解でもあるので、参考までに書かせていただきました。

次のブログではこの事故を踏まえての【リソークリニックの対策】について記載したいと思います。

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