骨折しても骨はくっつくのに、半月板はどうしてくっつきにくいの?
骨折しても、時間が経てば骨はくっつきますよね?
では、半月板はどうでしょう?
半月板も自分の身体の組織なのだから、切れても時間が経てば自然にくっつくような気がします。
ところが、半月板はそう簡単にはいきません。
その大きな理由のひとつが、「血流の少なさ」です。
骨には血液が流れていて、骨折すると、そこにさまざまな細胞や栄養が集まり、時間をかけて修復が進んでいきます。
一方、半月板は場所によって血流の量が大きく違います。
外側の部分には比較的血流がありますが、内側にいくほど血流が少なくなります。
特に、半月板の内側には血管がほとんどない部分があります。
ここが、半月板の修復を難しくする大きな問題なんです。
じゃあ、半月板は縫っても治らないの?
そんなことはありません。
損傷した場所や形などによっては、半月板を縫合して修復を目指すことができます。
実際、半月板をできるだけ残す「半月板縫合術」は、現在とても大切な考え方になっています。
ただし、
「縫えば、必ず元通りになる」
というわけではありません。
血流がなかったり、少ない場所では、修復に必要な環境が十分に整いにくいからです。
実際に縫合術のみですと、その30%が再断裂を起こしているとも言われています。
だからこそ、半月板の治療では、
「どうやって縫うか」だけではなく、
「どうやって修復をサポートするか」
という視点がとても大切だと僕は考えています。
「切る」より「残す」。そして更に
「守る」。
残念なことに、一度切除した半月板は元に戻すことができません。
だから僕は、修復できる可能性があるのであれば、できるだけご自身の半月板を残すことを考えます。
リソークリニックでは、半月板を縫合するだけでなく、足場や滑膜幹細胞を組み合わせて、修復をサポートするという考え方で
「半月板温存治療」
を行っています。
もちろん、これですべての半月板が必ず治るわけではありません。
半月板の損傷は、場所も損傷の仕方も人それぞれです。
だからこそ、MRIなどで膝の状態をしっかり確認して、
「切るのか」
「縫って残せるのか」
「残すなら、どうやって修復をサポートするのか」
を患者様の要望や将来を考慮しながら、丁寧に検討しています。
骨折した骨が、時間をかけて治っていくように、傷ついた半月板にも「治る力」を引き出せる可能性があります。
「切る」選択をする前に、僕と一緒に「残す」そして「守る」方法を考えてみませんか。
