最近メディアで話題のPRP治療について
野球界ではメジャーリーグで活躍する田中将大選手や大谷翔平選手が肘のケガに対してPRP治療を受けて手術を回避することができたことが話題になりました。
そして、昨日もTVでヴァイオリニストの高嶋ちさ子さんが肘の痛みに対してPRP治療を受けたことが放映されました。
(当院院長が解説をしました)
日本ではまだ一般的ではないこのPRP治療について今日は解説します。
PRPとはPlatelet Rich Plasmaの略で日本語に直すと多血小板血漿といいますが、これでもなお、どんなものか想像できないですよね。
<PRPとは?>
PRPは血液の中の血小板という成分を濃縮したものになります。
血小板には成長因子といって、組織や細胞に働きかけをして“治るための反応を促す“
という働きをもつ物質が含まれています。
PRP治療は、この成長因子を治療に使う方法です。
<PRP治療の効果>
効果には2種類あります。
1.治る期間を短縮する
成長因子の働きで治る反応が加速されます。この効果で通常よりも治癒する期間を短縮することを目指すことが出来ます。
2.古傷を治す
以前から続く痛み、時々決まった場所が痛む、といった症状がある場合、治る反応が止まってしまっている可能性が考えられます。成長因子の働きで止まっている“治るための反応”を再稼働させることでもう一度治癒を目指すことが出来ます。
<適応となる病気、ケガは?>
腱鞘炎、肉ばなれ、捻挫、靭帯や軟骨の損傷、四十肩などいろいろな疾患に対応可能です。
<PRP治療のメリット>
ご自身の血液を使う治療なので安全性の高い治療です。
また、スポーツ選手にとってはドーピングにもひっかからないことが認められているのでその点でも安心な治療です。
<PRP治療のデメリット>
効果には個人差があります。また、徐々に治っていくので、効果を加速するために何回か注射していく方が効果が高いことが多いです。
従来のPRP治療では、多くの場合、白血球という成分も含まれることが多いため、白血球の作用で投与時からしばらく注射部位に炎症が起こってむしろ痛みが増強するケースがあります。
注射の方法にコツがあるためにPRP治療に見識のあるドクターを受診した方がいいと考えられます。
(当院ではすでに100例近くの症例数があります)
<新しいPRP治療>
当院でおこなっているPRP治療は、従来のPRPを作製した後、凍結乾燥させることで血小板内の成長因子のみを抽出したものを使っています。
これによって同じ採血量の場合、含まれる成長因子量は2~8倍増加しているという報告があります。
また、注射時に炎症を引き起こす白血球の影響がなくなり、一時的な痛みの増悪もほとんどなくなりました。
PRP治療に対するご理解は深まりましたでしょうか?
ご興味ありましたらぜひご連絡くださいね!